定期テストを廃止する学校が増えています!

今年に入って、定期テストを廃止した中学校・高校の話を何件か聞くようになりました。

福岡市内で塾の仕事をしている先生と話したときも、そういう話題になりました。

中間テストだけ廃止して、期末テストだけ残す学校もあります。

教育の仕事に携わる人間として興味を持ったので、「定期テスト廃止」について調べてみました。

定期テストを廃止した学校はもうたくさんある

そもそも、定期テストは法に定められたものではなく、学校の慣例にすぎません。

なので、各学校の裁量で定期テストを廃止することは可能です。特に校長の意向が強いと思います。

2018年 東京都千代田区立麹町中学校
2021年 鹿児島県立与論高校
2022年 奈良県の全県立高校
2023年 鹿児島県立伊集院高校
2023年 鹿児島県立錦江湾高校
2023年 鹿児島県龍郷町立龍南中学校
2024年 福岡県八女市立見崎中学校
2024年 鹿児島県立鶴丸高校
2024年 鹿児島県立甲南高校
2025年 鹿児島純心女子中学校・高校
2025年 福岡県筑紫台高校
2025年 福岡舞鶴高校
2025年 福岡県立城南高校
ほか多数…

2024年・2025年で、福岡県内でも定期テストを廃止する学校が増えました。

公表されていない学校もあるので、実際はもっとあると思います。

定期テストを廃止した学校では、何で成績が評価されるのか?

定期テストを廃止した学校では、テストが全部なくなるわけではなく、単元テスト・実力テスト・模試などは残ります。そして、各単元の学習が完了した後に行う単元テストで成績が評価されます。

つまり、定期テストが単元テストに変わるいうことです。

しかし、単元テストの勉強を生徒がしなかったら、生徒の学力は伸びません。

これが、単元テストに変更してうまくいっている学校と、そうでない学校がある理由の1つだと思います。

私の塾でも2025年度から中学校が1校中間テストだけ廃止した学校があります。その学校の生徒には小さなメモ帳を渡して、単元テストの日程や結果をメモして毎回塾に持ってくるように伝えました。子どもだけでなく、周りの大人の「単元テストへの意識づけ」も大事だと思います。

定期テストを廃止するメリット

  • 学習習慣の改善:定期テスト前の一夜漬けが減り、毎日コツコツと学習する習慣が身につきやすくなります。
  • 単元ごとの理解度向上:範囲が狭い単元テストに移行することで、各単元の理解度を深めやすくなります。
  • 内申点を上げやすくなる:範囲が狭い単元テストに移行することで、勉強が苦手な生徒でも勉強するれば点数が上がりやすくなります
  • 先生の業務負担軽減:定期テストの準備や採点の負担が減り、他の業務に時間を割けるようになります。
  • 部活動や学校行事への集中:テスト期間中の部活動停止期間が短縮され、年間を通して活動しやすくなります。

定期テストを廃止するデメリット

  • 学力低下の懸念:定期テストがないと、学習のモチベーションを維持しにくくなる可能性があります。
  • 生徒間の比較が困難:成績による順位付けが減ることで、生徒自身の学力レベルを把握しにくくなる可能性があります。
  • 単元テストの負担増:定期テストの代わりに単元テストが増え、生徒と先生双方の負担が増える可能性があります。
  • 基礎学力の定着不足:定期テストで基礎を固める機会が減り、応用力や発展的な学習への対応が難しくなる可能性があります。
  • 受験への対応力低下:定期テストがないと、入試問題への対応力が低下する可能性があります。⇒この点については、まさに塾の出番だと思います。

定期テスト廃止について みなさんのコメント

YouTubeショートとTikTokで、定期テスト廃止についての動画を数本作成しました。

どれもたくさんの高評価やコメントが付き、反響が大きかったです。その動画にいただいたコメントを一部ご紹介します。

  • そもそも小学校は定期テストではなく単元テストなので、中学と高校でも実現できるはず。
  • 定期テストの代わりにある単元テストがきつい、ほぼ毎週あって勉強に追われる。
  • 定期テストがあるから勉強するやつは前から勉強してるし、勉強しないやつはずっとしない。
  • 去年高3で3年の1学期から定期テストがなくなった、おかげで部活が伸び最悪だった。
  • 進学校なら定期テスト要らん、模試だけ受けさせてくれよ。
  • 生徒の主体性が高まっていて自学自習できる学校でないと、定期テスト廃止は難しい。
  • 俺の学校も定期テストなくなったけど、単元テストはノー勉でも満点取れるから安牌や。
  • 定期テストの勉強期間も青春なのに。

近隣の学校の事例

福岡県八女市のM中学校では、2024年度から定期テストを廃止し単元テストに切り替えました。
保護者からは、いつ単元テストがあるのかわからないとの声が上がりました。
その解決策として、ホームページに単元テストの日程を掲載するようにしました。
また、定期テストを廃止したことで授業時間が増えたので、毎週木曜日を4時間で下校する日にしました。
その結果、4月と2月の実力テストの合計点の比較で、1年生で14.7%、2年生で9.5%増加しました。

もし自分の学校で定期テストが廃止されたら?

高校入試や大学入試で、日頃の評定や活動を重視する「推薦」や「総合型選抜」の割合が増えています。

なので、成績評価の方法やテストの実施方法を変える中学校・高校は、今後もっと増えると思います。

塾の立場から言えることは「定期テストがなくなったから、勉強しなくてよくなるわけではない」ということです。自分の将来のために、単元テストの勉強にしっかり取り組みましょう!

投稿者プロフィール

重松 弘樹
福岡県にある、個別指導塾スタディジャンプの塾長。
福岡県福岡市出身。柳川市に住んで10年目。
塾勤務歴は、大手学習塾(算数・数学科講師、正社員)、大手個別指導塾(教室長)など、学習塾歴18年目。
地域に愛される塾をつくる夢を実現するため、個別指導塾スタディジャンプを2021年5月に創業。丁寧な面倒見と独自の様々な取り組みを行いながら、子どもたちへの学習指導に日々向き合っている。
最近の趣味はショート動画の作成。全国の子どもたちのためになる動画を作っているので、よかったらチャンネル登録・フォローをお願いします!
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